赤色立体地図は、数値標高データ(DEM; Digital Elevation Model)から、傾斜量を赤色の彩度で、尾根谷度を明度にして調製した全く新しい地形の立体表現手法です。従来の地形表現手法の欠点(拡大縮小に対する脆弱性、方向依存性、実体視や赤青フィルタが必要など)を克服し、一枚の画像で様々な地形を詳細に立体表現できます。
火山地形・地すべり地形・断層地形の把握、遺跡調査、古墳調査、石垣、観光案内用マップ、登山用マップなど多目的にお使いいただけます。
※赤色立体地図の製作には、アジア航測株式会社が保有する特許技術(日本、米国、中国、台湾で登録済み)を使用しています。 [特許情報]
当店でのお取り扱いは以下の3種類の商品「RRIM50」 「RRM5+」 「RRIM10_2016(無料)」です。
赤色立体地図は、等赤色立体地図は、2002年に航空レーザ計測結果を表現(可視化)するために開発されました。
航空レーザ計測は、膨大な量の数値地形データが取得できます。しかし、従来の等高線図で表す手法では、取得したデータの内、所定の等高線間隔と一致する一部のデータしか表現できませんでした。あるいは、たくさんのデータを用いて等高線を生成すると、等高線と等高線の間が狭まりすぎて、凹凸の入り混じった地形は表現しにくいといった不都合が生じました。
そこで、等高線という「線」で表現していた地形を、「赤色の彩度と明度」を使って 「面」で表現しました。 全ての数値地形データを使う方法に変えたことにより、地形の細かな凹凸が見えるようになり、実際の現地の地形状況を見た目どおりに表現できるようになりました。また、従来は地形を把握するために、2枚の空中写真を立体視していましたが、1枚の画像で立体的に見えるようにしました。
赤色立体地図では、傾斜が急な面が赤く、尾根は明るく谷が暗くなるように表されます。微地形と大地形が同時にわかるのが特長で、特に微地形の特徴抽出に優れています。
地形表現法の比較 (引用:アジア航測(株)千葉氏他(2011).航空レーザ計測にもとづく青木ヶ原溶岩の微地形解析 富士火山, 354) 左上:地形図,右上:オルソ画像,左下:レーザ等高線図,右下:赤色立体地図
赤色立体地図の作成方法は、はじめに計測したDEMデータから計算により、斜度と 地上開度、地下開度を求め、地上開度と地下開度から尾根谷度を求めます。
斜度画像を赤の彩度に割り当て、尾根谷度を明度に割りあてて、画像を作成します (下グラフ参照)。
樹木のかげで空中写真では判読しにくい小規模な崩壊地も、赤色立体地図を判読することにより明確に把握できます。
齊航空レーザ計測成果から作成した樹高階と崩壊地の抽出